転職の実情

careerup

「転職」ほど,それに対する意識が数年間で劇的に変化してしまったものも珍しいだろう。

ひと昔前までは転職者とは,会社組織に馴染めない不適応者や不満分子であると考えられていた。

ところが今では,転職は当たり前。転職者は「将来性のある企業で,自分の能力を十分に発揮したい」と考えている。

これには,条件のよい職場,自己実現の可能な職場を目指す,つまりキャリアアップのために転職をする欧米の考え方の影響が大きいようだ。

一つの会社を勤め上げ,その中での昇進を目指すといった日本の考え方(いわゆる終身雇用制度)は崩壊しつつある。

こうした人たちを受け入れる企業側の態度も,大幅に変わってきた。

80年代後半に,企業は新規事業への展開,経営の多角化,海外進出などで,事業構造の転換期を迎えた。

それによって育成方法は変化し,異常な人材不足で「終身雇用制度」の神話が徐々に崩れていった。

この売り手市場全盛期は,まさに自分のやりたい職に就くことができた。

しかしバブル崩壊後,就業者数は最低の増加幅となっている。

また,有効求人倍率が0.67倍になり,以来低下し続け,ようやく歯止めがかかった。

そして,完全失業率は2.9%と過去最高の水準まで高まっている。

この不況のなかで,いかに自分の適職を見つけるか,どうすれば退社して次の職に就けるのかが,転職者の課題となっている。

(続く)